2009年6月18日木曜日

移植臓器の「不足」 ― 違和感のある言葉

臓器移植関連のニュース記事や論評で気になる言葉に「移植臓器の『不足』」という表現がある。個人的に違和感をもつ言葉は沢山あるが、こんなにも強い違和感を感じる言葉も少ない。

現在、移植臓器が「不足」していると言うのなら、こういう事は臓器移植という技術を開発する当初から分かっていた、あるいは予測できたことではなかったのか?

そもそも脳死患者が発生する事故などは本来、あってはならないものである。少なくとも可能な限り無くすように努力すべきものである。

「不足」という言葉は本来、あるべきもの、豊富に存在することが望ましいものについて使う言葉である。

可能な限り減らすべきであり、限りなくゼロにすべきである脳死者に「不足」などという言葉を使うことが許されるのだろうか?