2013年5月21日火曜日

心理学的問題と意味論的問題 ―― 前回記事の補足

このブログのタイトルの冒頭に意味という言葉を掲げながら、正直なところ、現在、意味論というタイトルで学問的に、あるいは専門的に研究されている諸々の分野あるいは諸々の理論について筆者は知識がありません。ただ論理学の一部門として、形式論理を補足あるいはそれに対峙するものとしての意味論という認識はあり、また哲学的な問題という認識もあります。「意味論」という言葉自体にはその程度の認識しか持たないのですが、要するに「意味の問題」という程度の意味でこの「意味論」という言葉を使っています。もちろん言葉あるいはシンボルを使う人間、人間の心と意味は切り離せないものであり、その意味で心理学とも切り離すことのできない分野であるという認識はあります。


前回の記事で鏡像問題に関わる分野としての心理学について言及しましたが、よくよく考えて見るに、この鏡像問題には心理学と同様、意味論に関わる部分が多いように思います。むしろ、普通に心理学という言葉で意味される心理学の分野あるいは心理学的現象よりも意味論的な分析が重要なのではという気がします。もちろんそれ自体、大いに心理学に関わる要素ではあると思うのですが。

当然、脳科学においても意味論的な分析は重要ではないかと思います。言語と脳機能との関係がよく問題にされますが、それ以前に脳科学で用いられる用語の意味論的な分析が重要なのではないかと。