2020年1月19日日曜日

人工知能と人工頭脳 ― その2(仮想知能・バーチャル知能という表現が優れている)

前回記事(同一表題のその1)で人工知能という言葉への違和感を書き始め、その後も考え続けていたのですが、ようやく『人工知能』は『仮想知能』と呼ぶべきではないかと思い付き、念のためにグーグル検索してみるとツイッターにそういう提案がすでに出ていましたね。

Shuuji Kajita on Twitter: "「人工知能」は「仮想知能」と改名すべき ...

トマボウ on Twitter: "人工知能は仮想知能と言ったほうが良くて ...


冒頭に述べた通り私も賛成です。ではなぜそうなのかを前回の文脈の続きで述べてみたいと思います。

そもそも『知能』という言葉は何らかの属性を表す概念を意味するのであって属性を担う存在を表すものではないからです。『人工頭脳』という場合は、頭脳そのものと同様、何かの思考に類する機能を担う存在であって機能そのものではないわけです。もっとも端的な言葉で言えば『能力』や『力』そのものがそうです。物理的な力を考えて見ても、引力、重力、圧力、火力、電力、原子力、等々、様々なレベルでいろいろ考えられますが、力そのものに天然も人工もありません。

ただ、日本語の場合、『人工』ではなく『人工的』といえば少々ニュアンスが異なってくるように思います。『人工』の場合は「人間が作ったもの」というニュアンスですが、『人工的』といえば『人為的』という言葉でも置き換えられるように、具体的な性質、性格、あるいは特徴を意味することになるので、それほど違和感は感じられません。英語ではどちらも『Artificial』という他はないので、この点では断然、日本語の方が優れているように思います。他の言語については知りませんが。という訳でこの言葉が英語起源であることには頷けるものがあります。

改めて、日本語は大切にしたいものです。特に日本語を英語化すること、安易に英語風な表現を取り入れる事、英語風な表現にしてしまうことにはよほど注意すべきではないかと思います。もちろん何でも、どのような場合でもそうだとは言いませんが。