2010年3月15日月曜日

「二大政党制」という言葉と概念への違和感

制度であるかどうかはともかく二大政党制という状態が現在の日本で好ましいもので、望まれるものであるかどうかは私には難しすぎる問題でよくは分からないが、全く分からないでもない。ただ、この「二大政党制」という言葉、さらに「二大政党制が望まれる」というような表現には言葉として違和感があり、どうも素直に全面的に納得する気になれない。

「何々制」という表現はよく使われるが、この場合の「制」というのは大抵は「制度」の意味だろう。制度という概念もまたまともに考え出すと難しいが、とりあえずウィキペディアをみてみると、「法治国家に於ける制度は法によって定められている。」という記述がある。もちろん法律と言っても国法だけではなく、もっと狭い範囲の法律や規則もあるわけで、法律と言ってしまうわけにもゆかないだろうが、少なくとも国全体にかかわる制度であれば、法律で定められたものを指すのではないだろうか。この意味で二大政党制という表現には違和感を覚えるのである。

二大政党制を法律で決められた制度にするというような事があるとすれば、明らかにそれは民主主義の理念に反するといえる。もちろん、だからといって「二大政党制」自体が反民主主義的というわけでもないだろう。自然にそういう状態になるのであれば、なにも問題はない。

ただ、ここで意図的に、人為的に二大政党制に持って行かなければならないのか、という問題が浮上していくる。ここまで来ると、民主主義自体が最高の制度であるかどうか、民主主義自体の評価の問題にも関わってくることになりそうである。もちろんよく言われるように民主主義に欠陥が無いわけでもないだろうし。

「二大政党制」が好ましいものであるかどうか、少なくとも現在の日本で望まれるものであるか、というような議論は当然、今盛んに行われているものと思うが、いずれにせよ、まず、この「~制」という表現を改めて、例えば「システム」とか単に「状態」でも良いと思うが、適切な表現に改めてから議論を始めた方が良いのではないかと思う。