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DATE: 12/23/2011 16:31:50
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おとといの夜、NHKのテレビ番組「100分で名著」で宮沢賢治の銀河鉄道の夜を取り上げた特集の最終回、出演のロジャー・パルバースさんがつぎのような事を語っていた。
賢治は、何故わたしは私であって、あなたや彼ではないのか?という疑問をもち、それへの回答として、わたしは彼やあなたでもある、彼やあなたは私である、という結論を得たというのである。
賢治がどこでそのような事を言った、あるいは書いているのかについては言及がなかったが、恐らく本当にそう考えたのだろう。
「なぜ私は他の人ではなくただ一人のこの私なのか?」というこの狂おしい疑問に捉えられたことのある人はそんなに稀なわけでもないように思われる。これは論理的な疑問というよりも感情に近いものである。
そしておぼろげながらも、あるいは無意識的にも賢治の認識に近いところまでいった人もさらに少ないだろうが恐らくそれほど稀ではないだろうと思う。
しかし、そこからさらに進んで賢治のように、そして賢治のような方向に思索を進めて創作や行動に発展させた人は稀なのだろう。
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